« 違ったらしい。 | トップページ | ウィルコムが通話定額2900円。 »

2005.03.14

混沌に翻弄される「エルリック・サーガ」。

冒頭文の美しさからいっきに引き込まれる耽美的な世界。マイケル・ムアコックの作品の中でも最も有名な作品でしょう。
脆弱なアルビノの皇子が、魔剣ストームブリンガーを手にしたことから、神々の争いの中に巻き込まれていく…という物語。

このストームブリンガーが大変にタチ悪い。
抜いたら最後血を見ないと収まらない。
特にエルリックと親しい人を殺したがる。
捨てても捨てても戻ってくる。
ストーカー女ですかっ?!ってぐらい執念深い剣です。
しかも、エルリックは生まれつき身体が弱く、薬がないと生きていけない体質だったのですが、魔剣を手にしていると普通に、いや超人のように活動することができるのです。
ストームブリンガーが相手から吸い取った魂の活力に溺れ、ゲラゲラ笑いながら剣を振り回すところなぞ、悪い薬中毒患者にしか見えません。

大事な人を手にかけてしまったり、国を滅ぼされたりと、悲惨な運命を辿るエルリックですが、どうも可哀相な気になれません。
1巻ぐらいだと悲恋に同情する気もあるのですが、その後も出会う女性とあっさり良い関係になっていたりして、おいおいおいとツッコミたくもなるのです。
背負っているものが重いがゆえに、人を遠ざけているエルリックですが、女性はそういう謎めいた部分に惹かれてしまうのでしょうか。
美形で華奢で、巨大な黒い剣を振るえば超絶破壊力。しかも、心に闇を隠していてどんな美人にもなびかない。これは放っておくのが難しそう。ついつい自分だけには心を開かせてみたいって気になるかも。

7巻まで通して読みましたが、主人公よりも周りの人物に興味を持ちながら読んでいました。なかなか良いキャラ揃っています。
エルリックには言いたいことも色々と出ますが、作品としては楽しんで読むことができました。

メルニボネの皇子 (ハヤカワ文庫 SF 587) Amazonbk1
マイクル・ムアコック

意外にも今は入手困難になっているようですが、映画化の噂もあるので公開時には再刊されることでしょう。
その時は天野喜孝氏のイラスト、ぜひ他のイラストレーターに変えたりしないで欲しいものです。

追記:2006年3月に復刊されました。イラストレーターは変わっているようですが、訳の改訂もあるそうなので読んでみなくては。
メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉

|

« 違ったらしい。 | トップページ | ウィルコムが通話定額2900円。 »

Fantasy seeds」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/1255/14660160

この記事へのトラックバック一覧です: 混沌に翻弄される「エルリック・サーガ」。:

« 違ったらしい。 | トップページ | ウィルコムが通話定額2900円。 »