半日のセミナーを3回の長文でアップするブログです。
最後はパネルディスカッションの様子と、わたしが感じたことなどを。
パネルディスカッションは登壇者のクラウドワークス社吉田さん、リチャージ社志水さんに加え、進行役として主催のNPO法人あおもりIT活用サポートセンター大浦理事長が参加しました。
の、その前に!
2回目の休憩が終わったと思いきや、司会の方より
「これより名刺交換タイムをもうけます!」
とのアナウンス。会場の前方で、吉田さん、志水さんとの名刺交換会が始まりました。
わたしも、クラウドワークスに登録している1人として吉田さんにご挨拶する列に並び、名刺交換させてもらいました。
閉会後に名刺交換タイムにすると、時間の都合で参加できない人がいたので、この時間帯に設定されたとのこと。なるほど。
さて、パネルディスカッションが始まりました。
「では、お二人に聴いてみたいことがある方!」
(………)
しばし、会場に静寂が。え、えっと。
たぶん、あれです。パネルディスカッションとして、しばらく大浦理事長が加わって3人でお話しをして、最後に質疑応答があると皆さん思っていたんじゃないのかな。きっと。わたしはそう思ってたから、質問文がまだまとまっていなかったです。東北人がシャイだってことはあるにしても!
それでも、ぽつぽつと手が上がり始めます。その応答より抜粋。(以下、敬称略にて失礼します)
参加者「ラーメン屋を経営していた。飲食店に向けてコンテンツを提供したい。IT・PCにうとい人に活用していくことを伝えたい。こういう場に来て自分で学ぶ人はいいけれど、ネットが苦手な人に対してのアプローチをどうしていったらいいか」
大浦「青森はネット利用率が最低。底上げをしていくことが必要」
吉田「我々ができるのはきっかけ作り。85歳が登録したからといってすべての85歳が参加できるわけではない」
志水「きっかけの場づくりをしていくことを、それぞれの地域の人がやっていくといい。例えばホームページ作りのJimdoなどツールはどんどんよくなっている」
参加者「県庁で働いている。誰をターゲットに開発していけばいいか」
吉田「やりたいと言っている人をターゲットにしていく。銚子電鉄のぬれせんべいの例。経営難の打開策として、ぬれせんべいの販売を始めたら売上の2/3を稼ぐようになった。震災後の復興についても、助成金が出ていない地域の方が復興が進んでいる。行政側でターゲットを決めるより、こういうことをやりたい、という人を後押ししていった方がいいのでは」
参加者「クラウドソーシングにおけるトラブルはあるか。働く人にとって必要な意識は」
吉田「コミュニケーションスキルは必要。ネットでもネットでなくても。全体の2~3%はクラウドワークス側に契約上のトラブル報告がある。クラウドソーシングの方が未払いなどの問題は少ない。(クラウドワークスで既に報酬の金銭を預かっているので、成果だけを持ち逃げされることはない仕組みだそうです)」
「青森県のクラウドワークスの登録人数。
人口比率全国平均に当てはめると青森県は2300人登録になるが、現在の登録は1480人」
「ITという道具を利用していく。リンゴはこうして作られているを紹介する大人の食育。ITでリンゴなど農業も別の売り方をしていく。共感を主体とするアプローチを展開していきたい」
「音楽はCDの売上が下がっているがライブは上昇している。ものを作っている人に共感するストーリーを出していっては。リンゴがこうして作られている、ということを、ここの人は当たり前だと思っているが、他の地域の人はそうではない」
「お笑いの世界でも従来の下積みからテレビに上がっていく派と、ネット動画などで個人が直接視聴者に発信する派で争いになっている」
最後に、わたしも勇気を出して質問しました。
津軽に移住してきて間もなく2年、職探しには困っている。在宅で請け負いの事務代行を始めており、クラウドワークスに登録している1480人の中の一人だが、まだ稼働はしていない。
リチャージのプレゼンに出てきたようにスタッフを「うちの子」として、育てたりリフレッシュさせたりパーティをしたりして仲間として扱っていく会社と、クラウドワークスのように、個人がそれぞれ発注元と取引をする形と、どちらも共感するけれど、今後は働き方がどうなっていくのか。
また、個人で受注しているワーカーの横のつながり、地域で相談し合ったりできるような場があるか。
というようなことを、喋りました。文章ほど整理されてない発言だったので、質問の内容が伝わりにくかったと思います。着席しても手の震えが止まらないくらい緊張しました。
なので、せっかくお答えいただいたのに、タイプできていませんごめんなさい。
最後の質問に関しては、クラウドワークス×リチャージで「アンバサダー」という提携の仕方をしており、各地でクラウドソーシングを広めるパートナーを募集しているとのこと。オフ会も推奨されていて、プロジェクトのメンバーが集まったり、チャットで日常の共有もされているところがある、ということが聞けました。
閉会後、何人かの方がわたしのところへ来て、声をかけていただいたり、名刺を渡してくれました。
ああ、自分の仕事の名刺、作ってくればよかった!!と重ね重ね。
弘前からの参加者の方もおられ、つながりができてよかったです。
このブログ記事3つを書きながら思ったこと。
吉田さん、志水さん、お二人の話しで一番ぐっときたのは、それぞれどん底の時のこと。
事業に失敗して、内定の取り消しを出したり、資金繰りなどに追われ笑顔が消えスタッフに去られていった時のこと。
その時のことを語る口調は、それまでの慣れた説明、プレゼンとは違い、身を切る思いをしてこられてきたことが伝わりました。
そこでの「ありがとう」であり「うちの子」。
これはまさにライブの醍醐味で、レポートとしてお伝えできることではありません。
この辛い時の話しを聴いていて、わたしは「共感」していました。おそらく、他の参加者も。
まったく違う仕事をしてきた、会社を経営してきた方々にだけど、人は言葉で、あるいは表情や口調、動作などからその人が出す空気で、まるで自分のことのように「共感」して心を動かせる。
お二人からは「共感」「共創」という言葉がたびたび出ていました。
わたしは
「役者は上手いと思われるのではなく、観客にあれは自分だと思われる役者であれ」
と言う劇団の仕事に20歳から関わっています。
まさか、ITとかクラウドとか、21世紀の働き方、というタイトルのセミナーで、そのことを思い起こすとは。
ITでこう変わる、こんなことができる、と言うと、コンピューターを介在した無機質な、つながりが薄い時代環境をイメージしますが、その先端にいるのもやはり人。
こういった直に同じ場にいて、その人のストーリーに共感すると、ぐっと自分のこととして感じることができます。やはり、ライブ大事。
「ありがとう」も文字なら数キロバイトだけど、画像で数十キロバイト、動画でメガバイト、生で会うならそれ以上の情報を相互に受け取るのだから。
既存の仕事、業界からの反発も多いでしょう。
海外でのタクシー運転手のストのように、仕事を奪われる危機にさらされる人たちもあるでしょう。
ITが作る雇用もあれば奪う雇用もある。この止まらない流れの中で、じゃあどうしていくことをそれぞれが選ぶのか。
このブログを含む個人サイトのタイトルは「Alternative Stories」。
オルタナティブは、かつて不登校をしていてできたばかりのフリースクールに通っていた時によく言われていた言葉でした。既存の学校へ行く以外の場・生き方をつくろう、と。
30年近く前だと、義務教育に行けなければ、進学・就職もできないし、将来は乞食だなんて面と向かって罵られたこともある時代。
安定した、正当な、主流の生き方から外れたらいけないと、一律に規格品のように、みんなと同じになるように気をつかっていて、すり減ってパンクしてしまった。
「働き方の選択肢がもっと拡がっていけばいい」
とパネルディスカッションで言われた言葉。
それは1人1人が選ぶというより、その時その時に選べるといい。
正社員でしっかりフルタイムで安定して働くこと、育児や介護などで時間の制約がある中で働くこと、病気やケガなど障害がある中で働くこと、誰だって起こりえる。
規格品からドロップアウトしたらもうおしまい、という時代ではなく、それぞれの形のままでいっしょに進んでいける時代にしていけたらいいなぁ、と長い長い記事を書きながら思うのです。
今日から津軽移住3年目が始まりました。
2年前はフェリーに乗って津軽海峡を越えてきたのだったなぁ。(※過去日記)
まず3年やってみようと言って、あと1年です。
自分が一番思いがけない展開になってます。さて、1年後はどうなっているか?
会場となったねぶたの家ワ・ラッセ、ロビーでねぶた下絵のコンクール入賞作品展が行われてました。
こういうことを小中学生の頃からやってるの、やっぱり寄せ集め文化の北海道から見るとうらやましい。
ごめん、やっぱり長すぎた。
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