ねぶたの家でITと仕事と地方在住について考えた(1:クラウドワークス社吉田代表のお話)
青森市で土曜日18時までのセミナーなのに行った理由
青森市まで出かけて、ねぶたの家ワ・ラッセで開催されたセミナー
「新しいワークスタイル」 『シゴト×あおもり暮らし』セミナーに参加しました。
土曜日で終わりが18時とあって、発表された時は参加を見合わせたのですが、どうしても株式会社クラウドワークス代表の吉田浩一郎さんのお話しを聞きたくて。
初めて息子の保育園お迎えを義父にお願いして行ってきました。
クラウドワークスを知らない方のために説明すると、WEB上で発注と受注をマッチングするサイトです。
例えばA社がロゴ作成を募集すると、全国のデザインスキルを持った人が応募して、採用されたら報酬が得られたり。
B社が「美容に関する記事を800~1000文字で30件募集、1件あたり○○円」で募集すると、全国から美容に関する記事が集まる、といった具合。
そこには、会社勤めをしている技術者(デザイナー、プログラマーなど)も、退職したシニア世代も、子育て中の主婦も混在して、時間単位で個人のスキルを売り買いしているといった風景があります。
実はわたしも求職活動中に、このクラウドワークスに登録をしています。
特殊スキルはないので、ブログ記事ライティングとかで、少しずつ収入を上げられたらいいかなぁ、と。
が、なかなか一歩を踏み出せず、どんな感じなんだろう?と並んだ応募案件を眺めるのみでした。
昨日東証マザーに上場決定、急成長中のクラウドワークス社の代表取締役吉田浩一郎さん、どんな人だか興味があったのです。
もう1人の登壇者は、株式会社リチャージの代表志水哲也さん。
沖縄の本島よりさらに飛行機で30分飛んだ宮古島で、新しい働き方を提案する会社を興した人、ということです。普段は名古屋の会社を経営されているとのことです。すみません、今回のセミナー参加前に初めて知りました。
開始前の名刺交換!?
研修室、時間ギリギリに入ったら最前列しか空いてなくて、司会の方の目の前に座ってしまいました。こんなに大きいのに後ろの人すみません。おかげで写真は撮れなかったです。
主催のNPO法人あおもりIT活用サポートセンター、Facebookの投稿より借用。
今回のセミナー参加をきっかけに入会もしました。今後ともよろしく。
開始直前に、いきなり司会の女性から「近隣の人と名刺交換してください」と言われました。
まだ自分個人の名刺作ってないのに!
とりあえず事務代行している訪問マッサージつくしの名刺でもってお隣の女性にご挨拶。
元SE(あれ、プログラマーだっけ?)の主婦でお腹に赤ちゃんがいる方でした。
わたしも妊娠中に札幌のNPO主催のチラシ作り講座に通ったことを思い出します。
県外出身でご主人の転勤で津軽移住してきたことなど共通点あって、お話しできてよかった!
以下、セッション中のメモより抜粋です。長いよ?
<クラウドワークス 代表 吉田浩一郎さんのお話しまとめ>
クラウドソーシングとは?
20世紀は「国家>企業>個人」と縦で管理されていた。
情報が紙ベースで上の立場だけが閲覧・管理できた。個人に与える情報を制限できた。
例)学生のレポート、祭りの回覧板、営業日報など
21世紀はITの活用で情報がオープンになり、「国-企業-個人」の時代へ。
例)レポートも祭りの情報、営業日報もメーリングリストやクラウドツール、SNSで共有されるようになった。
個人が誰でも情報を発信受信できるようになった。個人の地位がUP。
海外では国家が情報統制しようとして外出禁止しても、個人がFacebook等SNSで情報共有し、デモや集会ができ、革命にまでつながっている。
企業が国家を選択する時代
例)Google(納税地オランダ)、Amazon(納税地アメリカ)グローバルで事業展開する企業が個人と取引する。
青森という場所にいながら知らずにGoogleやAmazonを利用し、結果的に外国に納税している。
逆に言えば、青森にいながら、WEBを通して他の地域の売上を取りに行ける。
シェアリングエコノミーの誕生
個人の「部屋」「車」の空き枠が売買される
「airbnb」世界中の旅行者に家の一部を貸すことができる。世界で一千万泊。海外出張で一般家庭に短期ステイできる。
「UBER」自家用車をタクシーにする。iphoneでタクシーメーターや二種免許無しで、短時間の個人タクシーができる。時価総額上位独占1兆円超えの評価額。既存業界の反発もあり、香港はUBER禁止、パリではタクシードライバーのストもおきている。
そういった流れの中にクラウドソーシングもある。
個人のリソースを世界中と取引できる。
子育て中のお母さんが子どもを寝かした後2時間だけ作業できる、という空き時間の活用。
シニア世代も多く、最高年齢85歳が登録し受注している!
仕事の内容は、記事の作成が最も多い。
検索エンジンGoogleはWEBサイトの量と鮮度を評価する。常に情報を追加し続けなくてはならない。
ヴァイオリニストの新アルバムCDジャケットをコンペ形式で募集。
予算7万円、2週間で131案集まる。
1案だけが取り上げられるが、他の130案は没になる。それでもコンペ形式だと集まるのはなぜか?
契約して発注されている場合と違い、筋違いの提案をしてもクライアントに迷惑をかけないから、素人からプロへの登竜門、スキルアップ、新規顧客獲得になる。
(…デザインやキャッチコピーの募集で応募があまりに多いと「どうせ自分なんて出しても無駄」と思ってしまってたけど、そういう見方もあるのか)
発注する企業にとっては圧倒的なコストダウン。
オープンイノベーション
大企業や官公庁でも数万円の予算で発注している。
例)経済産業省と神戸の在宅デザイナーが一度も会わずに納品
20の都道府県、地域行政が活用している。※東北は山形県のみ
かつては個人は信用が無かった。下請けにならないと取引ができなかった。
価格の源泉が「製造原価」では無くなっていること。
「モノを作る側が価格を決める時代から流通が決める時代へ」
従来は製造原価、人件費などかかるコストと販売する量から逆算して、売値を決めていた。
今は流通が価格を決める時代になってきている。
電子書籍、音楽、映画も定額制サービスが始まっている。月1000円で読み放題とか見放題とか。コンビニが独自に製品を企画・自社ブランドとして製作して店舗に並べる。製造元ありきではなく、顧客とつながる流通が決めている。
(…価格と原価が一致しなくていいんだ、というのは最近感じているところ。お客さんがその金額で払いたいと思えば、制作者の生活含めたコストとは無関係になる)
「お客様の声でこの商品ができました」
お客さんが製品作りに参加することで共感を高める。
例)ボンカレー×クラウドワークス
ボンカレーのイメージを変えたい。
ボンカレーの魅力を伝えるキャッチコピーを応募→予算10万円、期間7日で4902案が集まる!
twitterなどでも拡散して話題に上る。
個人の働き方が変わる
昨日(11/7)東証マザーズ上場が決定した。
これから個人の取引は1兆円規模へ成長していく予想。
受注ワーカーの8割が東京以外。地方で行政とともに人材育成から関わる例もある。
宮崎県日南市と提携、地元の歴史的建造物をコワーキングスペースに改装、東京から仕事を発注する仕組み。まず月20万稼ぐ人を1人生み出そう。
シニア層ワーカーは21000名を突破、全体の10%になる。
子育て・家事との両立、半農半クラウドワーカーの事例も。
20世紀は働き方の選択肢がなかった。正社員になればよかった。
現在、来年度の正社員比率は45.2%の予想。仕事、保障、教育の仕組み作りが必要。
海外ではクラウドソーシングの会社が、個人へ健康保険と退職金制度も提供している。
クラウドワークスでは、ライフネット生命と提携して、クラウドワーカー向け保険を開始した。
(…これ、すごく気になっていた。個人で働けるのはいいけど、病気になったら?老後は?というところ)
感謝を伝えるありがとうボタン
今まで3回起業したが、失敗した。
行き詰まり、誰も周りにいなくなった時に届いたお歳暮がとてもうれしかった。
クラウドワークスを作り、感謝の気持ちを伝える「ありがとう」ボタンを作った。
「ありがとう」の数が見えることで、その人のがんばりが見える。
人々の共感を主体とした仕事をつくりたい。
あまりに長くなりすぎたので、後半は次回に続きます。
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