社会人プロレスの旗揚げ興業を観に行ってきました。
プロレスリングサッポロ(通称・PWS)という団体のことを知ったのは、ある日突然わたしのホームページのBBSにこんな書き込みがあったから。
793. はじめまして! クリオネマン [URL] 2004/09/25 (土) 14:56
札幌で社会人プロレス団体を旗揚げいたします、Pro-Wrestling SAPPOROと申します。
旗揚げ戦の日程などをぜひこちらでご紹介させていただきたくお邪魔いたしました。
Pro-WrestlingSAPPORO 旗揚げ第1戦
10月3日 札幌白石東地区センター PM12:30開場 PM1:00開始
札幌市白石区本通16丁目南4-27
尚、入場料は無料となっておりますのでお気軽にご来場下さい。
管理人様、記載内容がこちらに不適当なものでしたら削除お願いいたします。
では、失礼いたします。
妙にご丁寧な宣伝だったし、会場はわりと近所だし、休日だし、誕生日だし、とにかく行ってみることにしたのです。
…無料だし。

会場となった白石東地区センターの入り口は、こんな感じ。→
意外と新しい建物でした。
中には小さな体育館があります。きっと、地域のサークル活動に使われているのでしょう。
会場入りした時は、もう第一試合の選手入場の時でした。
わたしたち以外は身内とコアなマニアが10人くらい…というドキドキものの予想はみごとに外れて、家族連れが多かったです。初めて生プロレス観戦をするって子がいっぱいいそうです。
オープニングマッチ
○勇司 vs 白虎●
白いタイガーマスクを着けた白虎選手と、嫁のたまちゃんをセコンドに連れた勇司選手による旗揚げ戦第1試合。
団体にとって大事な1戦とあってか、技も組み立ても濃いめな味付けでした。
手を取ってのヘッドスプリングムーブから始まり、場外へのプランチャ(場外には畳が2つくらい敷いてあった)、ムーンサルトプレスも出たし、雪崩式フランケンシュタイナーも出たし、飛ばしすぎってくらい飛ばしてました。
最後はセコンドの嫁がロープに飛んだ白虎の足をすくって流れを引き寄せてから、勇司のコンバットスプラッシュ(CIMAのアレ)で勝利を上げました。
セコンドのアシストは定番のやり方だけど、家族連れには受けていました。

第2試合 異種格闘技戦2分5ラウンド
●ティグレ・ネグロ vs ユカリチャンプア・ゲッソンリット○
やはり虎マスクのティグレ選手と、キックボクシングのユカリチャンプア選手との異種格闘技戦です。
2試合目にして、いきなり異種格闘技戦かぁ。ロープブレイクがある上にリングが狭い、しかも1ラウンド2分、とティグレが決める確率はかなり低かった。
案の定、掴んでもすぐにブレイクされ、ほぼ一方的にボコボコに蹴られてKOされてしまいました。
この試合だけ雰囲気が明らかに違いましたね。ユカリチャンプアは試合後は友だちといっしょに観客になってたし。
第3試合 異種格闘技戦
藤子Ω不二雄 vs 津軽歌麿
第3試合も津軽歌麿選手が合気道、藤子Ω不二雄選手がトキワ荘ということで、異種格闘技戦です。
こっちの方は怪しさ爆発。だって、藤子Ω不二雄って、これ↓だもの。

お子様に大人気でした。
でも、藤子Ωはヒール(悪役)です。四次元ポケット(のファスナー)を開けると凶器が出てくるのです。
対する津軽歌麿は袴を履いた合気道スタイルに、怪傑ゾロかリーポマンのような黒いマスクを着けています。
もちろん、技は小手返しなどの合気道技。これに藤子Ωがスローに投げられる、捻られる。たまに凶器攻撃。
そんなユルい雰囲気になったところで、第一試合の勇司が嫁のたまちゃんを連れて乱入!
「合気道教室やってんじゃねえんだからよ!」
と、3WAYマッチを要求し、急遽バトルロイヤル状態に。
お約束的に数珠繋ぎになって技をかけあったり、ちょっかいを出し合ったり。
なぜか最後には乱入していた嫁のたまちゃんが勝利をおさめてしまいました。チャンチャン♪ってオチ?
休憩は“カードからあぶれた”MyLove石川選手のオンステージ。
…ってマスクマンがアリスの「チャンピオン」を歌っただけでした。おっとっと。
ちなみにこの興業、ずっとアナウンサーと解説者が喋っています。
始終テンション高めだけど、けっこう間をつないでくれるし、雰囲気を盛り上げるのが上手かったです。アナウンサーが技をあまり知らずに、なんでもバックドロップにしていたのもご愛敬。
一見さんにわかりやすかったし、アメリカの中継だと思えばね。
セミファイナル
○瀬戸浩志 vs りんごの詩●
全身オレンジ系統のりんごの詩選手と、なかなかにビルドアップされた身体の瀬戸選手のシングルマッチ。
りんごの歌は、かわいらしい名前とは裏腹に100円ショップのプラスチックハンガーを振り回すヒールでした。武田鉄矢ですか。
わりとあっさり目に瀬戸のジャーマンスープレックスで3カウント。
この興業の中では良くも悪くも普通に観られる試合でした。
メインイベント EWGPタッグ選手権試合
KIYO、シロナガス黒田 vs スウィートソウル、ペ・クリオネマン
いよいよ、メインです。いよいよ、あの礼儀正しい書き込みをされたクリオネマン選手の登場です。
花道の近くでカメラを構えたわたし、コールを受けて入場してくるクリオネマンの姿に衝撃を受けました。

わ、悪そー! なんたって、マスクの半分には「偽善」と大きく書かれています。
あの礼儀正しい書き言葉は偽善だったのですか?!
試合は、メインらしくタイトルマッチ。どこかでやってきた因縁を引き継いでいるらしい。…旗揚げ戦なのに?
ブルース・リーげなKIYO選手と、頭のてっぺんをはなわのように立てた黒田選手が、現在のチャンピオンらしい。
メインになると会場はそれなりに埋まっています。

試合は、KIYOが捕まりがちで、しばしロンリーバトルを強いられる…と思ったら、パートナーの黒田選手が裏切り!
「いつまでも、オマエの引き立て役してられるかよ!」
3人がかりでKIYOを痛めつけます。無効試合が宣告され、メイン試合は終了しました。
という時、瀬戸と勇司が救出に入り、6人タッグマッチを要求。
これまたあっさりと通り、もう1試合が追加で行われました。
●黒田、スウィートソウル、クリオネマン vs KIYO、瀬戸、勇司○
家族連れの子どもたちはこの展開についていけているのか? わたしの心配をよそに試合はドタバタと進みます。
メインだけに技術や動きはいいし、すごく頑張っているんだけど、ちょっと乱戦過ぎです。
最後はこの日3試合出場の勇司が黒田をフォールしました。
これから正規軍対ヒール軍のように軍団抗争が繰り広げられていくのでしょうか。
全体を通してみれば、思ったよりも雰囲気が良く、楽しんできました。
もっと寒々しくハラハラすることもあるかと思っていたのですが、皆さん練習している様子が伝わります。
普段は普通に仕事をしている人たちが、寸暇を惜しんでつくりあげる社会人プロレス、札幌在住のプロレスファンなら、一度どこかで観てみるのもいいかも。
アマチュアのプロレスなんて、と食わず嫌いせずにちょっと興業日程などチェックしてみてはいかがでしょうか。
PWS公式サイト
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